疲れているのに眠れないのは
もはや現代病?

体内時計が乱れると睡眠に悪影響が

視交叉上核=自律した体内リズムを刻む

地球上の多くの生物は地球の自転に合わせたおよそ24時間の自律した体内リズムを刻んでおり、これを体内時計と呼んでいます。
体内時計は脳内の一部位(「視交叉上核(しこうさじょうかく)」と呼ばれています。)がが主に制御して自律した体内リズムを刻んでおり、一方では別の刺激でリズムをリセットする仕組みを持っています。
それは、眼から入る光です。

睡眠のリズムが乱れやすい現代

人間は、朝日や夕日を浴びることで大まかな時間を感じとりますが、表面的にそう感じるだけでなく、脳の体内時計中枢である視交叉上核に視神経を通して光シグナルが伝わり、体内時計がリセットされています。
ホモサピエンスが誕生して20万年と言われていますが、夜はたいまつの火くらいしか明かりがとれない時代が近代までずっと続いていましたから、この仕組みで睡眠リズムが乱れることもありませんでした。

視交叉上核(体内時計がリセット)

不摂生や夜間の強い光によって不眠症などの睡眠障害にも

現代は体内時計が乱れやすい環境

現代はコンビニに入れば昼間並みの強い光を浴び、睡眠直前までスマートフォンの光にさらされています。
20万年間続いた人の生活が、数十年から100年で激変している訳ですから、対応できないのも当たり前ともいえます。
体内時計がうまく調節できなくなったために睡眠リズムが崩れてしまう「概日リズム睡眠障害」や、日照時間が短くなることでうつ病に陥ってしまう「季節性感情障害」は、こうした体内時計の乱れが原因で起こる病気と言われています。高照度の光を浴びる治療法が行われていますが、それだけでは充分な治療効果が得られない場合もありました。

赤ちゃんの体内時計は乳の成分が関与?

生まれたばかりの生物は体内時計が働きませんが、そのうち「自然」と体内時計が働くようになります。
ヒトの赤ちゃんの体内時計が動きはじめるのは、生後5日目といわれています。
体内時計が働き始めて安定したリズムを刻めるようになるのは、もう少し先といわれていますが、この「自然」の仕組みに、赤ちゃんが飲んでいる乳の成分が関わっているのではないかと、ずっと考えられてきました。

ラクトフェリン摂取時の
臨床試験データ
(対、睡眠の質)

ラクトフェリン摂取で起床時の眠気や疲れ、睡眠維持に影響が

最新の研究によるとミルクのラクトフェリンは体内時計の中枢である視交叉上核に直接働きかけることで、光によるリセット機構を強化する(光同調促進作用)ことが分かってきました。

ラクトフェリンの摂取で光同調作用(光による体内時計のリセット機構)が強化!!

不規則な生活、時差勤務、時差地域への頻繁な渡航と、現代社会は体内時計のリズムを保つのが極めて難しくなっています。
ラクトフェリンによるリセット機能の強化がこうした現代人の助けになるのか調べる臨床試験も行われ、起床時の眠気や入眠と睡眠維持の指標が改善することが報告されています。

睡眠不良者の睡眠感に与える影響

【出典】薬理と治療 46 55-63 2018

睡眠薬とラクトフェリンサプリとの違い

多くの睡眠薬は、睡眠のリズムを調整するわけではなく、神経を鎮静化させることで睡眠に導くものです。どれも長期にわたり連続して服用できないという課題があります。
毎日摂取しても副作用の心配のない乳成分であるラクトフェリンが将来睡眠薬にとって代わるのか、今後の研究が期待されています。

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