日本人は、摂取したエネルギーを倹約して使う遺伝背景があり、
エネルギーを「皮下脂肪」ではなく「内臓脂肪」の形で蓄積しやすく、
欧米に比べ基準上、低い肥満度でも肥満に関連した疾患を発症しやい性質があります。
病気の発症予防と医療費の抑制にメタボリックシンドローム(以下メタボ)の解消対策といっても、
日本人ではそう簡単ではありません。
メタボの根本的な問題は内臓脂肪の蓄積が様々な疾患の原因となることです。内臓脂肪の蓄積状態を知るには、内臓のCTスキャンが必要ですが、内臓脂肪の体積に比例する簡易的な指標としてウエストサイズが挙げられ、下図に示すメタボリックシンドロームの診断基準が決められています。ウエストサイズに加え、中性脂肪やコレステロール、血圧、血糖のうち2項目以上の異常がある場合をメタボリックシンドロームとし、保健指導や治療の対象としています。
内臓脂肪の蓄積によるメタボは外見が太っていて、他人から自己管理できないとみなされるという問題だけではありません。
メタボ対策が必要な理由は、循環器や肝臓等の病気の発症リスクが各段に高まり、医療費が増大することと言えます。
例えば、心筋梗塞では健常人に比べ35.8倍の発症率(労働省作業関連疾患総合対策研究班調査)に、医療費は1.4倍になることが分かっています。
【出典】労働省作業関連疾患総合対策研究班調査
【出典】平成20年度協会けんぽ調べ
サイトカインのうち、脂肪細胞から分泌されるもの
生理的に動脈が硬くなる現象を含んだ用語で、動脈硬化症という場合にはアテローム性動脈硬化症を指す。
生活習慣病と呼ばれる疾患は、様々な生活習慣が原因で発症するというよりは、メタボにより蓄積した内臓脂肪によるアディポサイトカインの分泌異常により引き起こされるともいえ、内臓脂肪病といえます。
内臓脂肪を蓄積させずに、あるいは蓄積した内臓脂肪を低減させ、アディポサイトカインの分泌を正常化するには、なんといっても過栄養、偏栄養、運動不足への対応が第一といわれています。
例えば、運動量に関して厚生労働省では生活習慣病予防に必要な運動量を1週間に23エクササイズと定めていますが、これは毎日1時間弱やや速めに歩くことに相当します。
【出典】厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)
「健康づくりのための運動基準2013」より編集
メタボ(内臓脂肪症候群)の対策には運動の他に、食生活の改善に加えて直接、内臓脂肪を低減することがわかって
いるラクトフェリンを積極的に摂取したいところです。
偽薬(プラセボ)を用いて、対象のサプリメントの有効性を調べる方法
体重を身長の2乗で割った肥満を表す簡便な値
内臓脂肪が減少することで、内臓脂肪組織におけるアディポサイトカインの産生が正常化し、将来の疾患リスクが減少する可能性があります。
メタボの対策は食事の管理を行って規定の運動量を守ることが第一ですが、さらに内臓脂肪の低減に効果があると分かっているラクトフェリンを取り入れてみてはいかがでしょうか。
【出典】Br Nutr.104:1688-1695 2010
市場には様々なラクトフェリンサプリメントやラクトフェリンを添加したヨーグルト等の食品が販売されていますが、多くの製品はメタボリックシンドロームには効果がありません。
効果が実証されているのは臨床試験で用いた腸まで届く、腸溶性タイプのラクトフェリンだけです。
腸まで届くと表示されているだけで、実際は腸まで届かないラクトフェリンのサプリメントも多く販売されています。
信頼できる会社から購入することが大事ですが、製品の表示を確認することに加え、腸まで届くという根拠や臨床試験データとの関係について販売者に確認することが必要な場合もあります。
内臓脂肪低減を期待して摂取する場合も、ただ単に摂取すればよいということはなく、次のポイントに留意する必要があります。