サプリメントの剤形(錠剤やカプセル剤等のサプリメントの形)が「腸まで届いて腸の特定の場所で溶ける」ことを腸溶性と言いますが、腸溶性にも様々なタイプがあります。
ラクトフェリンの効果を最大化できるのは、小腸に到達した後に溶解するタイプです。
「腸まで届く」とされているラクトフェリンのサプリメントの全てがこのタイプではなく、異なるタイプも多くあるため、臨床試験で使われたものと同じ正しい製品を選択することが大事です。
細胞内外で刺激を受け取る構造のこと
成分を壊すことなく腸まで届け、成分そのままを腸から吸収させることが重要な成分があります。特に、胃で分解されるタンパク質などは、強酸性の胃液で溶けない錠剤に配合する必要があります。加えて、この錠剤が腸に届いたときには溶けることがとても大切です。
実験結果
腸溶性加工ありの錠剤は、
胃では溶けずに
腸まで届けて溶ける
実験内容
腸溶性加工をしていない錠剤と腸溶性加工をした錠剤を、胃の中を再現した液中で2時間振とうし、錠剤の状態を観察。腸溶性加工した錠剤は溶けないことが確認できます。
その錠剤を次に腸の中を再現した液中で1時間浸透し、錠剤の状態を観察。腸溶性加工した錠剤は完全に溶けていることが確認できます。
偽薬(プラセボ)を用いて、対象のサプリメントの有効性を調べる方法
臨床試験
比較結果
腸溶錠剤の方が、
非腸溶錠剤よりも
少量で効果が得られる
【出典】参照論文(1)Br J Nutr 104:1688-1695 2010、
(2)Int. Dairy J 47:79-85 2015、
(3)Cancer Prev Res 2:975-093 2009、
(4)Cancer Sci. 97:1105- 1110 2006、
腸溶性ではない非腸溶性のラクトフェリンを使った臨床試験では、1日あたり投与量は1,500~3,000mgと極めて高く、さらに一部の試験では効果が確認されていません。
腸溶性タイプのラクトフェリンを使った臨床試験では1日あたりの300mgの投与量で、どちらの試験でも効果が確認されています。
対象者や効果の判定はそれぞれ異なりますが、腸溶性タイプでは少量の投与量の設定をしており、非腸溶性タイプでは大量の投与量の設定をしていることはこれらの論文から言えることです。
臨床試験データから明らかなように、腸溶性タイプを1日あたり300mg摂取できるサプリメントを選ぶべきです。
非腸溶タイプでは臨床試験に従った場合、1500~3000mgとそもそもサプリメントとして非現実的な摂取量です。
消費者は臨床試験で使われた効果の確認された同じサプリメントを選びたいところです。