なぜラクトフェリンは
腸まで届く
腸溶性が良いのか

そもそも腸溶性とはどういう意味?

サプリメントの剤形(錠剤やカプセル剤等のサプリメントの形)が「腸まで届いて腸の特定の場所で溶ける」ことを腸溶性と言いますが、腸溶性にも様々なタイプがあります。
ラクトフェリンの効果を最大化できるのは、小腸に到達した後に溶解するタイプです。
「腸まで届く」とされているラクトフェリンのサプリメントの全てがこのタイプではなく、異なるタイプも多くあるため、臨床試験で使われたものと同じ正しい製品を選択することが大事です。

なぜラクトフェリンは腸まで届かせる必要があるのか?

小腸には、ラクトフェリンが結合する
レセプター(受容体=じゅようたい)

細胞内外で刺激を受け取る構造のこと

があり、主に細胞の表面に存在しています。
ラクトフェリンとレセプターが結合すると、その情報が細胞に伝わったり、ラクトフェリンが細胞に取り込まれたりするのです。
生まれたての赤ちゃんは、胃の消化機能が未熟なのでラクトフェリンのレセプターが存在する小腸にラクトフェリンが到達しますが、大人では成長の過程で消化管の機能が発達するため、通常のラクトフェリンを大量に摂取しても胃で全部壊れてしまい、レセプターに到達しません。
ラクトフェリンを摂取してもほとんど無駄になるということです。
そこで、大人でも赤ちゃんと同じようにラクトフェリンがレセプターに結合できるよう、胃で溶けずに腸まで届いて小腸で溶けるという、腸溶性加工をした製品が発明され、現在では、病院や大学の臨床の現場でも数多く使われています。

小腸の受容体に届かせる必要が!

人の体の中の状態を再現した実験

成分を壊すことなく腸まで届け、成分そのままを腸から吸収させることが重要な成分があります。特に、胃で分解されるタンパク質などは、強酸性の胃液で溶けない錠剤に配合する必要があります。加えて、この錠剤が腸に届いたときには溶けることがとても大切です。

ヒトの胃の中での錠剤の状態を再現すると…

腸溶性加工なし(胃) 錠剤が完全に溶けている

腸溶性加工あり(胃) 錠剤は溶けていない

ヒトの腸の中での錠剤の状態を再現すると…

腸溶性加工あり(腸) 錠剤が完全に溶けている

実験結果

腸溶性加工ありの錠剤は、
胃では溶けずに
腸まで届けて溶ける

実験内容

腸溶性加工をしていない錠剤と腸溶性加工をした錠剤を、胃の中を再現した液中で2時間振とうし、錠剤の状態を観察。腸溶性加工した錠剤は溶けないことが確認できます。
その錠剤を次に腸の中を再現した液中で1時間浸透し、錠剤の状態を観察。腸溶性加工した錠剤は完全に溶けていることが確認できます。

腸溶性と非腸溶性の
臨床試験データ

腸溶性と非腸溶性での効果の違い

現在までにラクトフェリンを使った臨床試験が数多く発表されています。
ここでは、その中でも信頼性が最も高いと考えられる
二重盲検法

偽薬(プラセボ)を用いて、対象のサプリメントの有効性を調べる方法

で行われた臨床試験データを概観することで、腸溶性と非腸溶性での効果の違いを見てみましょう。
近年の主なラクトフェリンの臨床試験で使われたサプリメントのタイプや投与量等をまとめてみました。

臨床試験
比較結果

腸溶錠剤の方が、
非腸溶錠剤よりも
少量で効果が得られる

【出典】参照論文(1)Br J Nutr 104:1688-1695 2010、
(2)Int. Dairy J 47:79-85 2015、
(3)Cancer Prev Res 2:975-093 2009、
(4)Cancer Sci. 97:1105- 1110 2006、

非腸溶性の場合は、数倍の1,500~3,000mgが必要

腸溶性ではない非腸溶性のラクトフェリンを使った臨床試験では、1日あたり投与量は1,500~3,000mgと極めて高く、さらに一部の試験では効果が確認されていません。 腸溶性タイプのラクトフェリンを使った臨床試験では1日あたりの300mgの投与量で、どちらの試験でも効果が確認されています。
対象者や効果の判定はそれぞれ異なりますが、腸溶性タイプでは少量の投与量の設定をしており、非腸溶性タイプでは大量の投与量の設定をしていることはこれらの論文から言えることです。

どのようなラクトフェリンのサプリメントを選ぶべきか

1日

臨床試験データから明らかなように、腸溶性タイプを1日あたり300mg摂取できるサプリメントを選ぶべきです。
非腸溶タイプでは臨床試験に従った場合、1500~3000mgとそもそもサプリメントとして非現実的な摂取量です。
消費者は臨床試験で使われた効果の確認された同じサプリメントを選びたいところです。

お役立ち
コンテンツ

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  • 最新の研究論文一覧
  • 利用するうえで知っておきたいこと